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WHITESOFTさんより『ギャングスタ・リパブリカ』
2012年 10月 23日 |
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WHITESOFTさんより『ギャングスタ・リパブリカ』

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「心の中のガラクタを捨てられない者は、あの店を訪れるといい。いつか、仲間にめぐり逢える」
そんな、マイナーな噂話があった。
誰も気に留めないような、あやふやで不確かな話。
けれど、周りとは少しだけ違う内面を持った彼らはその噂話に乗り、そして仲間を見つけた。

盛夏――
「……何か悪いことねーかな」
ガランゴロンと騒々しく鐘が鳴る中、今日も “篤志部” の部室で、時守叶 (ときもり かなえ) はつぶやく。
聖天義(せいてんぎ)学園本校舎。 時を告げる鐘の真下、騒音のため学内の誰もが嫌うその場所に、篤志部の部室はある。
しかし学内に、その部を正式な名で呼ぶ者はいない。 学生たちはおろか、教師ですら。
代わりに彼らは、関わり合いになりたくないという苦笑と共に、こう呼ぶのだ。
『ギャング部』

誰が言い始めたのかは、不明ということになっている。
活動内容を怪しんだ生徒会だとも言われているが、実のところ一番有力なのは、当の部員たちの自称という説である。
そしてその説は、完全に正しい。 なぜなら副部長である叶こそが、名付け親なのだから。

ギャング部の部室には、ご丁寧に額縁に入れられて、こんな言葉が掲げられている。
――邪悪であれ。
“悪が世界を変える” と信じている叶の発案によるスローガンであり、ギャング部のただ1つの行動原理である。
ある時は、子供たちの遊び相手になると称して、若い貴重な時間を奪い――
またある時は、おばあちゃんの引っ越しを手伝うと称して、お礼にお菓子をせしめる。
これが、彼らの “悪”。

学園内で。 商店街で。 駅前で。 街中で。 ギャング部の面々は、悪を成す。
なぜなら、悪であることは、仲間であることの証だから。
心の中のガラクタを捨てられない彼らは、悪の名の下にめぐり逢った仲間なのだから。

だから今日も、叶はつぶやくのだ。
「……さて、悪いこと、探しに行くか」
仲間と共に、悪党どもの共和国 (ギャングスタ・リパブリカ) での時間をすごすために。
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2013年04月26日発売です。
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